自由度チート級。仮面ライダーエグゼイドのデザインを振り返る。
節目を前にふと振り返りたくなるガルシアです。
平成ライダーを見ていると常々デザインについて誰しも思うものがあるはず。人によっては否定的なものもあるかもしれませんが、自分はフォーゼ以降(というよりは特写写真集を定期的に見るようになってから?)は自分からデザインのねらいを探るようになっていきました。
そもそもヒーローデザインというのは絵におこして着ぐるみにした時点で終了するのではなく、長期にわたって映像やその他媒体で描写されることで成長していくものだと考えているんですがその話はまたいつか。
今回は「ゲーム」というモチーフを決めながら異例の幅広さを見せた「仮面ライダーエグゼイド」のデザインのお話。近年でも稀に見る路線でとっつきにくさはあるかもしれませんが、お暇でしたら是非。
平成ライダーはデザインに変なポイント、間抜けに見える特徴を使って視覚的に色んな人を釣り上げてきました(初っ端から言い方が悪過ぎる
それでもフォーゼ以降は特に目立った拒否反応が無く、ここに来てようやくライダー慣れしたのかなと思っていた矢先の「エグゼイド」でした。
こんな言い方をするとまるで私がエグゼイド最初嫌いだったみたいな感じですが(どちらかと言うとストーリー的な意味で10話ぐらいまでは本当にいまいちでしたけど)、デザインに関するイメージはむしろ良かったと思います。
どことなく「ロボタック」とか「ボンバーマン」的な要素を感じたのが一番の理由だと思います。ゲームモチーフでレベルアップがあってこの路線なら「そうなるよなぁ!」と勝手に納得していました。
そしてソシャゲが定着した今、ゲームカセットモチーフのアイテムを使ってピコピコいわすというのにも妙に感動してガシャットを集め始めたのでした。ストーリーが進むにつれて一部のアイテムがやたら高騰して戦慄しています。
バイクになったりチャリを着込んだり怒涛のアイテムラッシュで目まぐるしく姿を変えるライダー達。序盤の展開が「鎧武」に似てるから面白くなるのはここからかなぁとか、同じソフトで通信対戦(?)とか、伏線の回収のスパンが比較的短くて見やすいなとかそういった話もありますが、今回は割愛。
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ふと気付いたのです。同じ画面に映ってるモチーフの多さに。
そしてゲームにはその中に「ジャンル」があることに。
これまでのライダーはモチーフを選んだらその中で色々探して、そこに適宜色・属性といった棲み分けの為の要素を取り入れるみたいな印象だったんですが、
ゲームをモチーフにしたもんだから大変です。果物モチーフであればその次は「オレンジ」「バナナ」とフルーツの範疇を超えませんが(それが普通ですけど)、ゲームモチーフだと「アクション」「ゾンビ」「NINJA」ともう別物です。棲み分けとか考える必要が無い。ゲームの持ってる要素や一般的なイメージ、これまでの東映ヒーロー的なやり方を取り入れると考えると自由度が高過ぎるんですね。ゲーム的に言えばチートなんでしょうか。
劇中で檀黎斗が「ゾンビには増殖能力がつきものだろう?」と言った様に能力的な棲み分けもバッチリ。だってジャンルがちげーんだもの。本来交わらないジャンルが「ゲームだから…」というまとまりによって半ば無理矢理同じフィールドに立ってる様な感じでしょうか。
その本来交わらないジャンルが並び立つ。その為に用意されたのがあの「目」と「カラフルさ」なのではないかなと。
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これまで無かった「瞳」を取り入れたデザインはそれだけで個性になったわけですが、それはただ平成ライダー世界における個性を手に入れる為ではなく、自由奔放過ぎるゲームライダー世界において統一感を生むのが目的だったのではないかと思います。
客を引き込む為のコミカルな要素が実はデザイン的な側面で均衡を保つ役割も担っていたという。一挙両得です。これもまたチート。
ゲムデウスクロノスの様な「血走った目を電撃模様で再現する」というのもこの世界ならではでとても面白いです。
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色もただカラフルにするというよりは、「騎士」の持つ精悍さから水色系を選んだり、迷彩柄に明るい黄緑を差し込んでやったりと、よりモチーフに寄り添う感覚。その上でケミカルカラーを採用する事で独自のデザイン観を構築してます。
ブレイブのLv.2→50→100の様に「間に魔王を挟む進化」も、キャラに負けないぐらいモチーフの色に寄り添ったからこそ印象的かつ、見た人毎に思い出されるゲームやアニメがあるのではないでしょうか。
ブレイブLv.50は正直ロードバロン寄りではなく他の路線で行って欲しかったというのが本音ですが、これは個人的過ぎるし野暮な気がするので割愛(
他にも「髪の毛の意匠を積極的に入れる」「メタリックカラーの多用」等も統一感出す要因に挙げられると思います。後者はむしろ「鎧武」や「ビルド」の方が当てはまる…?
ひとまず「エグゼイド」のデザインについて書いてきましたが。
最初に言った様に、ヒーローデザインとは単体ではなくあらゆるメディアで見られる機会を増やして成長すると共に、見た人間が積み重ねてきたものにも委ねられる部分があります。
エグゼイドもポップなデザイン自体の魅力だけでなく、緊張感のあるエピソードとのギャップもまたデザインの一環だと思います。もちろんアクションなんかも!
そんな感じで半分自分用のエグゼイドデザインの話でした。
【おまけ】
バグル時代のゲンム描きました pic.twitter.com/bcHbGnk5U6
— フュージョン怪獣研究家マグマガルシア (@garcia1053) July 22, 2017
#仮面ライダーエグゼイド 最終回記念絵。放送前はポップなデザインに「鉛筆向きでもないかな…」と思ってたのに…描いちゃった…
— フュージョン怪獣研究家マグマガルシア (@garcia1053) August 26, 2017
背中を向けた写真を資料にしつつ、若干ポーズを変えて模写。筆ペン装飾も入れてゲームライダーらしからぬ1枚となりました_(:3 」∠)_#nitiasa pic.twitter.com/CKcnioH5F5
他の方が描かれている様に、アニメっぽく描くとその魅力が特に増すんですが、自分は今まで通り模写で。
模写と言いつつコピック絵では色で遊んでますが
それでは、また。