絵描きはつらいよ

ツイッターで公開した絵の補足やブログ限定の絵の公開(予定)をしつつ、特撮作品の解説や感想なんかも絵を交えて出来れば良いな…というブログ。

仮面ライダージオウのマスクデザイン、<複眼=字画>同士の隙間に何か有り。

 今回は現行作品のデザインについて。ガルシアです。

 

 特撮番組の真面目な記事って結局お話に行き着くのが一般的なので、そういうのはまぁ置いとこうという精神です(

 

 今回は放送中のジオウ、そのマスクについて放送前から思っていることをつらつらと書いていきます。

 

 

 

 

 

f:id:garcia1053:20180922120803p:plain

 「顔にカメンライダーって書いてあるから紛れもなく仮面ライダーだよ」とはよく言われていました。全体的に見ればむしろ控えめなスタイル、時計の擬人化とも言える姿にカタカナをそのまま埋め込んでいます。全身がシンプルだからこそこの一点に絞った効果が生まれていますね。

 これまで文字を使ったデザインは「555」のライダーデザインや「電王」のクリーチャーデザイン等でも採用されていましたが、どれも文字の流れを模様に見立てる事でさりげないアピールになっていました。ジオウは字体こそ頭部に収める為に変形しつつも「そう読ませる為の形」になっているのがポイント。真逆です。

 

 そうなった事で生まれたのが文字を変えて遊ぶ二次創作でした。実際に歴代ライダーのアーマーを装着する事で複眼の形も「ビルド」「ごーすと」等に変化しているし、これもビルドから続く複眼によるデザイン幅の広がりを感じます。

 

 

 

 しかし自分が気になったのは複眼よりもその隙間。文字そのものを複眼にする事で生まれた黒い空白こそが表情をつくる新たな手法なのではないかというところ。

 

 抜きの部分が黒目となり、瞳が生まれる瞬間があるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平成ライダー20作記念! 「仮面ライダー」2000-2018全史

 特撮の着ぐるみというのは基本的に表情が変わりません。それはあくまで物として見た時の話であり、スーツアクターの動きやカメラアングル等で喜怒哀楽を表すというのは長年見ている人ほど分かるかと思います。

 

 自分が言うジオウの表情というのは、本来複眼で埋まっているはずの部分を抜かして黒地を見せることでそこに瞳があるという錯覚を抱かせる方法です。カメラアングルに特化した又はその効果を倍増させる力を持っているのではないでしょうか。

 

 

 

 

仮面ライダージオウ ライドギアコレクション VOL.01 全5種セット ガチャガチャ

 上の画像に近い角度から見れば、カメラに対して片眼を細めて睨んでいるような表情に。

 

 

 

f:id:garcia1053:20180922123435p:plain

 カメラに対してより上目遣いになれば「ラ」と「ダ」の角度も急になり、かなりキツい睨みを利かせる様になるのです。

 

 

 

 

仮面ライダーゴースト 特写写真集 KAIGAN (DETAIL of HEROES)

仮面ライダーエグゼイド特写写真集 GAME CLEAR (DETAIL OF HEROES)

 ここ数年のライダーデザインで例えるなら、「瞳が存在するエグゼイド」と「2つの色で顔を想起させるゴースト」の合わせ技と言ったところでしょうか。ゴーストでは顔全体でやっていたことを、目というより狭い範囲で行った感覚。

 

 それでいて凹凸もある従来の複眼の造形を変化させて表現するので仮面ライダー感が強まるという、正に近年の集大成的な印象です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮面ライダージオウ サウンドライドウォッチシリーズ GPライドウォッチ01 全6種セット

 このようにジオウの表情変化が見る角度によって明確に変わるというのは放送前に児童誌で色々見てたから分かったんですが、これが出来るのは複眼全体のシルエットのお陰だと気付いたのは今になってからでした。

 

 読ませる目的もある文字なので左右対称にならない複眼デザインですが、おおまかなシルエットはシンメトリーになっているのです。

 

 顎から頭頂部までをグルリと覆う銀色の円周内に、額と口元にあたる白いパーツとピンクの複眼を収めた収納上手かつコンパクトな設計。加えて時計の針を模した触角を添えればジオウマスクの完成です。

 

 だからこそパッと見は仮面ライダーの複眼であり、よく見るとライダーの文字になっていて、角度を変えると黒地部分が瞳にも見えるという一石三鳥ぶりが実現したんでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:garcia1053:20180922130244p:plain

 「ジオウの話ばっかだけどゲイツはどうなの?」と言われそうですが、ゲイツは逆に黒目(に見える隙間)の位置をほぼ左右対称にすることで顔と認識させるタイプのデザインだと思っています。

 

 基本的なマスクの構成はジオウと共通している中で、複眼のシルエットを大胆に広げて違いを表現しつつ、抜きの黒地はシンメトリー気味で落ち着いた雰囲気を出すというTHE・2号ライダーデザインと言えるでしょう。平仮名を採用してからこうしたのか、こういった表現の為に平仮名に決めたのか…それは不明です。

 

 

 

 

 

f:id:garcia1053:20180922131543p:plain

 余談ですが、ゲイツゴーストアーマーは全体的にキツキツなレイアウトの中に「ご」で隙間を作ることで眼帯をしているようなデザインが良いなと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もちろんアーマーが変われば文字も変わります。おまけに「仮面ライダージオウ」はまだ始まったばかり。この先自分が注目した点が強調されるのか継続されるのか、はたまた薄れていくのかは分かりません。

 

 あくまで一部のデザインにおいてそういった見方も出来る、ぐらいの評価になりそうだなとも思ってます。エグゼイドアーマーとか黒目的な表現無いし…(汗

 

 それでもこの先のライダーデザインに何かもたらす可能性があると信じてますし、ただの新しい・面白いではなく先輩ライダーから受け継いだ要素も含んでいるとなれば非常においしいポイントなので、見届けたいところです。

 

 

 

 

 未来を創ると共に、レジェンドライダーの歴史の隙間に入り込み革新的な何かをもたらす事を祈ってます。

 

 それでは、また。

 

 

 

 

【ライダーデザイン関連】