No.051 ガラブルトン
ゼットルギエルとの最終決戦後、本拠地から発見された大量のデータ。その内容は融合を実現出来なかったフュージョン怪獣の数々だった。宇宙支配の礎となるはずだった怪獣達が、ディスプレイの上で目を覚ます――。
ゼットルギエルの企みから始まったフュージョン怪獣に関わる宇宙を懸けた戦い。決着がつきしばらく経つが我々の戦いは続いていた。あくまで机上の戦いだが。
彼が本拠地としていた施設には破損したものも含め多くのデータが残っていた。私の仕事はその回収、修復、分析した結果をまとめる事。そしてその報告を機関以外の者も確認出来るよう残していく事だ。仮に「フュージョン怪獣ロストレコード」と題しておく。
今これを見ている方、特に戦いに参加してくれたフュージョン怪獣の適応者にすれば前任のナビゲーターと科学者の妙なテンションが恋しくなるかもしれないが、今後はあくまで報告書的なものとして一読して欲しい。
前置きが長くなってしまったが、早速解析の済んだデータを紹介する。
隕石怪獣ガラモンと四次元怪獣ブルトンを素材に融合した怪獣・ガラブルトンだ。今後はデータが見つかり修復された順にナンバリングしていく事にする(と言っても以前も調査、戦闘を通して発見した順に付けていたもので、我々の主観的な番号だったのだが)。
恐らく隕石にまつわる怪獣という事から相性が良いと推測されフュージョン怪獣の実用案として用意されていたのだろう。希少性の高い属性を持つ事から何か特別な存在として実用の為の研究がされていたと思われる。加えてブルトンの次元に関わる能力、ガラモンの尖兵としての側面から、多次元又は別宇宙に怪獣を転送し侵略範囲を広げる為の時空移動装置として活用する算段だったのではないかと私は考えている。あの戦いにおいてガラブルトンの融合が実現していたら、こちらの勝機もかなり薄れていたと断言出来る。
同じスケールの怪獣との戦闘については、短時間及び短距離の時空間移動を応用した攻撃回避を中心とした撹乱が想定されていたらしい。回避目的のテレポートアタックと言うべきか。実際の運動能力は低いので撹乱によりエネルギーを失ったところを狙うのが確実だ。相手に無駄に能力を使わせる為の戦略を練る必要がある。
必殺技(個人的にあまり好きな表現ではないが便宜上こう表記する)は多次元圧縮。こちらからは観測出来ない次元、空間を複数切り取り相手の周辺に移動させ密度を操り押し潰す、とデータには書いてある。一時的かつ断片的な次元移動、空間移動と思えば分からなくもないが、その密度を正確な位置で操作するというのは人智を超えている。正に常識破りの塊と称すのが適格だ。
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隕石怪獣ガラモンは侵略ロボット。その割には慣れ親しまれているらしいが、似た姿をしている友好珍獣ピグモンの影響もあるのかもしれない。
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四次元怪獣ブルトン。本来は四次元空間を操作する怪獣だが、ガラブルトンは更に広い範囲でその力を行使する。最近とある惑星の存在を宇宙に知らせる事となった原因と聞くが、そちらは我々の管轄外なので割愛させて頂く。
以上が主な報告内容となる。データが完成次第随時更新していく所存だ。
現在修復中のデータは雷属性の怪獣が多く、ガラブルトンとはまた別の計画にまつわる報告が出来ると思われる。
以上